第10話
新宿二丁目のネコ その2

 

 

 以前に新宿のコニカプラザで新宿ネコグラフィーの個展をやらせていただいた際、 この2枚の写真も展示したのですが、割と人気のなかった写真であります。 この写真を今一つつまらなく見せる要因は、猫自体に動きがなく、ただ街中にぽつん といるだけだからでしょう。

 それもそのはず。 この写真こそ、「この街で猫が撮れただけで満足」という私個人の単なる趣味の表れ だからなのです。 私の初二丁目体験は、大学一年の初々しい時に友人のY子が、 「素敵なバーに連れてってあげるぅー」 と、二丁目のダンスフロア付きのバーに連れていってくれたのが、 最初でした。 その時、ダンスフロアでは、一人のおじさん(ウナギ店経営)が、独特なウナギのよ うな踊りを披露していて、一緒に来ていたE先輩(男性)に踊りながらくねくねと まとわりついていたのが印象的で、どうも様子が変だな、と思ったのでした。

  その後、またY子が、 「二丁目にある素敵なレゲエのクラブに行こー」 と誘ってくれたのですが、 そこはネイチャーの方(?)がほとんどで、狭い空間で皆踊りながら、「hey」とか 「baby」とか声をかけてくるので、 「クラブって怖いところなんだなー」という誤解を抱いたものでした。 それ以来、どうも新宿の伊勢丹より先の方は濃厚で危険である、という印象を持ったのです。

  昼間の二丁目は閑散としていて、「美少年の館」「コンドルモモエ」といった ケバケバしい看板や、街中でぼーっと座っていいる青年(何をしているのでしょう?)、 店の脇で眠る猫などが、不思議な感じです。 個展を開いた時に、「あなたの写真は、看板が笑えるわね」と言われたことがありますが、 この写真で言いたいことは、けっこうそんなところです。 あと、モニター上では分かりにくいのですが、猫がとても真剣な顔をしています。 本当は何も考えていないのですが、そんなところも好きです。伎町で活躍しているそうです。

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